(1)「外需拡大」がグローバル化社会で勝ち抜くための基本則。
国民の9割以下が困窮層化してくれば、残り1割の富裕層だけで国内消費を
賄おうとしても、それは明らかに無理。
本書の別項目で詳論しますが、富裕層とは貧困層から限りなく富を奪った
結果富裕層になった者ですから、本来自己の消費には否定的で、蓄財一辺倒
を特徴的属性とする者です。
だから、彼らの富は投資に回るだけで、消費には回らない。
したがって、富裕層による内需拡大は期待出来ません。
▽ その反面、富裕層による投資意欲は旺盛、ということになると、
第1に、投資が国内投資に向けられれば、その投資先企業の製品を消費する
国内需要は不十分な訳ですから、製品販売の市場は外国に求めるしかない。
第2に、投資先が外国であれば、おのずと市場は外国です。
ここで、レーガン以後、現ブッシュに至るまでのアメリカ政策を振り返ると
上記要約そのものであって、外国へ市場を求め、その結果景気向上に成功し
たということです。
その有効な手段となったのが、軍備拡張でした。実際レーガンの5年間で
軍事費を倍増しその後も徐々に増加した軍拡の効果はレーガン時点で評価さ
れなかったものの、レーガノミックスは現ブッシュ大統領まで歴代大統領に
受け継がれ、今では結果的にレーガン政権最大の課題だった財政赤字削減と
長期に渡る景気拡大に貢献したと評価されているのです。
軍拡の政治的・経済的効果をひとくちに論ずることは困難ですし、アメリカ
と現在の日本とを比べれば、勿論、前提条件が違うのですから、軍拡による
将来的経済効果は、誰にも予測できない筈です。
しかし、軍拡の経済的効果についてはアメリカの結果的成功という事実があ
り、さらに、レーガノミックスでは国内的市場拡大がきわめて困難という、
これもアメリカで実証された事実があるのです。
この2つの事実の存在から、「軍拡は新自由主義経済の必要条件なのでは
ないか?」とひとまず考えるのは合理的でしょう。
そのように一応考えた結論として、軍拡(日本の場合は、まず憲法第9条の
改正)に踏み切るかどうかという行動になるわけです。
ここの分岐点が、最も重要。日本国民の運命を分ける決断ということになる
でしょう。
▽ ところが、過去6年間の小泉・竹中政策を見ればわかるとおり、日本政
府の経済政策はほとんど全部、ブッシュ政権から発せられた『年次改革要望書』
の指示に沿ってコピー版レーガノミックスを実行しただけであり、日本政府
独自の独創的アイディアというものがまるでないのです。
つまり、自力で有効な政策を立案できないから、レーガノミックスをコピー
するしかない、ということになります。
という訳で、現実問題として、すでにレーガノミックスのコピーというべき
新自由主義経済に突入してしまった小泉・安倍政権の政策視野には、外国市
場開拓の手段としての具体的イメージは、アメリカが実行した政策しかない
わけです。
しかも、小泉政権末期から、(格差的な局所現象であるにしても)一部の
大企業を中心として景気向上が実現した原因は、コピー版レーガノミックス
のおかげ以外にないと、彼らが自画自賛するのは当然です。
こうなれば、もう、安倍政権にとって、悩むところはありません。
むしろ「自信を持って」、コピー政策へ突き進むということになるでしょう。
(2)安倍晋三が国民投票法改正と憲法改正を急ぐワケは?
ズバリ、
「 海外市場開拓に軍備が必須 」だから!
アメリカ追従しか手がない無策の自民党でいるかぎり、
福田政権だって同じです
。。。。。。
ところで、コピー政策の重要な海外戦略に、もともと「軍拡(軍備拡大)」が
含まれているのです。
軍拡を抜きにして、レーガノミックスの対外戦略は成り立ちません。
レーガンからブッシュに至るアメリカの経済戦略が海外へ向かう原因は、
国内消費、つまり内需の不足分以上を外国に求めるという経済政策にありま
す。
ところが、世界経済の歴史からみれば、この政策は何も目新しいものでは
ありません。
たとえば第2次世界大戦にいたる経緯も、世界中の先進国が国内市場の不足
分を外国にまで拡大する政策が富国強兵や侵略戦争へつながったのですし、
もっとさかのぼれば、17世紀、18世紀の列強による植民地政策はすべて
おなじ発想からきています。
アメリカへの植民や建国さえもが、その過程のひとつだったのです。
ソニーやトヨタの世界的業績拡大のような単一企業による世界進出ではなく
て、国家規模(国策レベル)での多数企業の世界進出を、軍事力なしで成功
したものは、かつてあったでしょうか?
今、新自由主義にどっぷりとはまった安倍政権経済政策の行く道は、
アメリカ式成功以外にもう「選択肢が無い」のです。
アメリカ追従しかない自民党の中継ぎ政権・福田内閣についても
他に選択肢がないことは、全く同じです。
▽ 自民党政権がマネしているアメリカ式経済政策・成功法とは、
ハッキリ言って、
「国内市場に見切りをつけて、外国市場を侵略する」
という戦略です。
国内市場に見切りをつける、ということは、国内での消費に期待しないのは
勿論、国内生産にも見切りをつけるということであり、この結果国民の労働力に
期待しない、つまりは国民に対する国と企業の責任を放棄し、国民の低所得化、
貧困化を積極的に是認するということです。
生産は、外国の安い労働力を使って行う。この場合、外国の労働力を外国人
受け入れという形で、国内で行うこともあります。
日本でも、トヨタやキャノンなどの大企業では大々的に行われています。
こうして、日本人労働者の正規雇用は激減し、パートや派遣労働者などの
非正規雇用者ばかり増えて賃金低化していくワケです。
さらに、この現象が10年以上も全国的規模で進行して、貧富二極化、
超・格差社会として現実化しているのです。
▽ 次に、外国に市場を求めるということは、経済大国(又は経済先進国)
としての有利な立場を利用して、相手国の産業との競争に圧倒的に勝つ目的
で進出するのですから、経済大国の企業が勝利すれば相手国の産業は壊滅的
打撃を受けます。
ですからその実体は何ら「侵略」と変わらない、ということになりますね。
これが、すでに日本が経済侵略対象としてアメリカに、してやられている
現実です。
ちなみに郵政民営化も、アメリカ資本が日本の郵政事業資産を侵略する目的
に呼応したものだという見方がされていることはご存知のとおりです。
▽ このままボーっとしていては、当然日本企業は見る影もなくなる。
回避するには、どうすりゃいいの・・・?
というワケで、日本政府の選んだ道は
↓
↓
↓
「自分たち日本企業もアメリカ企業と同じことをやるしかない!!」
やるべき事はひとつしかありません。
日本より遅れた経済国への「侵略」です。
その具体策として、軍事力強化は外せません。
そこへタイミングを合わせたかのように、北朝鮮の核開発公表です。
結果を見れば、核開発の一言で、あの強大なアメリカさえ、経済制裁を撤回
し、手のひらを返したように北朝鮮の要求に妥協するしか打つ手がないので
す。
このとおり現実世界では、軍事力は経済を支配しているのです。
そういうわけで、
安倍首相は皆様ご承知のとおり、タウンミーティングでやらせ問題を起こし
たり、後援会や閣僚を含め前代未聞の多くのスキャンダルにまみれながら、
立て続けに強行採決をくり返して憲法改正、教育基本法改正、防衛庁の防衛
省昇格等々、森・小泉政権の「既定方針」を猪突猛進中!
フツーの神経なら自己嫌悪で落ち込んでしまうような国民からの批判を、
普段から表情に乏しい無神経な顔面制動で受け止めて、その恥辱をものとも
せず、誰かに言われたとおりに既定の政策を押し進めているのでしょうか。
※ お坊ちゃま・ドン感総理は、07年7月参議院選で惨敗したあともまだ、
最後の最後まで国民常識に気づくことなく頑張ってましたが、
体の方が本人よりよほど賢くて、悲鳴を上げて安倍晋三にドクターストップをかけた
というワケですね・・・
それはともかく、
以上が小泉・安倍政権の新自由主義が軍拡路線を必要とするカラクリです。
▽ というわけで、前々から与党政府には、世界市場を相手にして、しかも
その中でトップに食い込むためには、軍事力が不可欠だという発想があるのです。
たとえばイラン・イラク問題にしても、北朝鮮の核開発問題にしても、アメリカが
軍事力において勝るから現状維持ができるが、非武装や弱小軍事力では、
到底経済関係でさえ思うようにいかないだろう、という考えが根底にあるのです。