□5 アメリカ政府が自民党凋落を見透かした!
アメリカが自民党の凋落を承知していたと伺わせる重要な事実があります。
それは、弱体化した自民党をアメリカがより具体的かつ容易にコントロール
する手段を、測ったようにタイミングよく、アメリカが日本に押しつけて
きたことです。
それが、今もなお毎年日米間でやりとりされている「年次改革要望書 」
です。
年次改革要望書は、日米双方が相手国に要望する政策を具体的に
示す形で発行されています。
が、実質はアメリカが日本へ要求を突きつけ、日本政府がその要求に
沿って政策を具体化し、法令も改正して追従しているというものです。
この年次改革要望書は1993年7月6日宮沢喜一首相とサミットで来日した
クリントン大統領との会談で決まったものとされています。
この日付に注目してください。自民党単独政権が崩壊し細川護煕内閣が発足
した93年8月9日のわずか1ヶ月前です。
宮沢喜一首相もクリントン大統領も自民党の弱体化と政権の崩壊をもちろん
承知の上での会談です。
▽ このときサミットで来日したクリントンが、自民党に対し軽視的で、
むしろ日本新党などにラブコールを送ったという記事が村上龍氏のホーム
ページ( 学習院女子大学教授石澤靖治氏の話 )にもあります。
「アメリカではその年(1993年)の1月、日本経済に対する明確な戦略
を掲げたビル・クリントンが大統領の座につき、日本への敵対的な姿勢をむ
きだしにしていた。そしてサミットで来日したクリントンは、宮沢首相率い
る自民党に対して、改めてそうした態度を示す一方、日本新党などにはラブ
コールを送った。」
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▽ もしアメリカ政府が自民党の凋落を意識していないで自民党が従来どお
りの実力を持っていると受け取っているならば、ここまで露骨な内政干渉は
やらないはずです。
自民党政府が実力ある政府なら、アメリカが指導する必要もないし、また
世界中から日本の主権を疑われるような「要望」書を受け取る訳もないから
です・・・。
それに、日米両国にとって対外的な損失も大きいはずです。
年次改革要望書の内容が国際社会に知られると、世界中に
アメリカのやりすぎと日本政府の無能ぶりが知られてしまいます。
事実、すでに94年の初回年次改革要望書から12年経った現在では、
12年間日本政府が取った行動も明らかになっているので、当然国際
社会はそういう目で日米関係を認識しています。
その結果として、アメリカは日本という主権国にまで内政干渉する覇権的
性格が国際社会から、陰に陽に非難されることになるでしょう。
その上、最近ではアメリカがイラク戦争に加担した大義名分が欺瞞であった
らしいことがアメリカ国内でも公然の事実となりましたから、アメリカの
他国への主権侵害問題はますます非難される筈です。
日本についてはどうでしょう。
政府が無能であると言う認識をされることは、日本にとって外交上の大きな
損失の筈で、その弊害が各所に現れているのです。
アジア諸国の対日本観などには、これがよく表れているのではないでしょう
か。
小泉、安倍とつづいた北朝鮮外交でも、当初拉致問題などでポイントを稼い
だと思ったのは小泉首相の思い過ごし(または思い上がり)で、北朝鮮の
核開発問題が公になった今、北朝鮮とアメリカ政府との決着の付け方を知っ
て分かったことは、日本政府は北朝鮮に実力を見透かされていたという事実
でしょう。
そのような、日米双方の損害を予想していながら、クリントン大統領が敢え
て年次改革要望書発行という行動に出たということが、逆に自民党の凋落の
重大さを証明しているという訳です。