□3 日本の先例。07年アメリカの超・格差状態
実際に、日本の先例であるアメリカは、戦後1970年代まで中流家庭が
大半で今のような格差社会は予想さえされなかったのです。
彼らのモダンで文化的な生活を謳歌する姿を描いたアメリカ製ホームドラマ
「パパはなんでも知っている」「うちのママは世界一」「パパだいすき」
などの連続番組が毎週日本のテレビで放送され、日本中があこがれのまなざ
しで見たのを覚えている方も多いでしょう。
そのアメリカ中流家庭が、今ではまったく崩壊し、その内ごく一部が
「プロフェッショナル層」と呼ばれる富裕層に這い上がったものの、
ほとんどの家庭が貧困層に転落してしまいました。
過去10年間の日本が、20年前にアメリカのレーガン大統領がレーガノ
ミックスと呼ばれる経済政策を断行した時とそっくりな政策、社会状況で
あっただけでなく、戦後ずっと日本の政治、経済社会政策の大筋がアメリカ
のそっくりコピーであったことから考えれば、これから先の日本社会は、
今後10年間で過去20年間のアメリカの歴史をトレースして同じ結果を
実現してしまうことは明らかです。
アメリカが20年かかったことを日本が10年間で実現してしまうと予想
される理由は、世界規模のインターネット情報化と、経済・社会の急激な
グローバル化(グローバリズム)にあります。
ロシアや旧・中国という共産主義ライバルが消え失せ、アメリカ的経済政策
だけが世界の「唯一の正義」となった今、アメリカの特権的巨大資本が世界
中を席巻するグローバル化の嵐には誰も逆らえませんから、事態の深刻さに
気づかずに放っておけば、上記のとおり日本にも超・格差社会が現実化する
のは間違いないのです。
このようなわけで、多く見ても国民全世帯の1.3%プラスアルファ程度
のきわめてわずかの富裕層が、残り90%以上の蓄財困難な困窮層を置き
去りにして独占的に蓄財し、アメリカの階級社会と同じように、日本国民
全所得の80%以上を10%以下の富裕層が独占するような
ことになるのは ほぼ確実と思われます。
▽ 実際に、アメリカでは上位5%の富裕層世帯に国民全資産の60%が
集中、上位20%までなら84.4%が集中しています。しかもこのデータ
は6年前、つまり2001年時点での数値ですから、今はもっと富の集中が
されているはずです。
しかも、「アメリカ国内の総世帯数は1億1000万だが、経済的に安心
して暮らしていけるのは、総世帯の上位5%未満の”金持ち”たちだけだろ
う」と小林由美氏は言います。
(小林由美著「超・格差社会アメリカの現実」P51、 P15参照)